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象模様の染織布を訪ねて

今月のすぺーすくじらは、象模様の染織品をインドをはじめとしてアジアの各地域に訪ねてみました。これらの地域では象は信仰の対象であり昔から神聖な存在として、あるいは荷物運びの使役として家族同然の身近な存在として染織品にも数多く見ることができます。今回はコレクションのなかからアジア各地の象模様の布を飾ってみました。2015年3月15日~3月31日ネットギャラリーにて公開いたします。

GALLERY 

 

 

象模様のインド伝統染織 

経緯絣模様の象

製作地  インド・グジャラート州

製作年代  19世紀後半~末
素材/技法 絹、

天然染料/経緯絣
 


「popat kunjar bhat(鸚鵡と象文様)」は、取り分け高度に熟達した括り・染め・織りの技術と手間隙を要するものとして、本来高位な織物である絹経緯絣パトラの内で、さらに高位な存在として、インド国内及び海外において数百年にわたり珍重されてきました。
ブラーミン階級のヒンドゥ及び富裕階級のジャインが、この具象文様パトラをステータスとして所有しましたが、この絣の製作者である”サルヴィ共同体”自体が、ブラーミンのヒンドゥとジャインを中心に構成されているという点でも、この染織作品は特殊な品モノと位置付けられてきました。染織の多くはムスリム及び低位カースト所属の共同体の職域に属するものであったからです。
 他に類を見ない多色遣いの精緻な絹経緯絣の素晴らしさ、意匠の完成美はもちろんですが、神々や王族に近しい立場の者が生み出す”神聖”かつ”呪術性”を備えた特殊な布として、大航海時代にパトラは海外の数多の王族・貴族階級を魅了したと考えられております。取り分け”パトラ崇拝”の強かったインドネシアにおいては、王族の葬祭を含むあらゆる宗教儀礼でこれが用いられ、パトラ片を燃やした灰は煎じ薬とされた記録が残っております。イオ・ライフマーケット 丸山慶さん談             

 織り模様の象

 絞り模様の象

 アップリケ模様の象

 木版プリントの象

 絞り模様風プリントの象

 刺繍模様の象

染織布に表現された象

製作地 タイ北部 ラーンナー地方 Lanna
製作年代 20世紀半ば
民族名 タイ・ルー族 (Tai Lue)
素材/技法 木綿、染料/平地・緯紋織、畝織

製作地 インドネシア スンバ島
製作年代 20世紀半ば
素材/技法 木綿、天然染料/平地・緯紋織

 

製作地 日本
製作年代 20世紀前半
素材/技法 木綿、更紗風プリント

昼夜帯

製作地 タイ中部 チャイナート県  

製作年代 20世紀半ば
民族 ラオ・クラン族  素材/技法 木綿、天然染料/緯紋織、縫取織(浮文織)

製作地 ラオス北東部 フアパン県 
製作年代 20世紀半ば~後半
民族名 タイ・デーン族(Tai Daeng)
素材/技法 木綿、絹、天然染料、化学染料/経紋織、緯紋織、縫取織

製作地(推定) ヨーロッパ(オランダ?)
製作年代(推定) 19世紀
使用地(渡来地)スラウェシ島 タナ・トラジャ県
○素材/技法 木綿、染料/銅版プリント、片面染め

世界の民族衣装ギャラリー

 

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