「すぺーす　くじら」は自宅で始めた世界の民族衣装の小さな展示ギャラリーです。コレクションのほとんどは30年近くかけて日本国内で蒐集したものです。

　

  とりわけインドネシアコレクションは、邦人の蒐集家が1970年代から2000年にかけて島々を訪れて集められたものを多数譲り受けました。その中には、大戦や内戦、地震や津波などの災害での消失を免れた大変貴重な伝統染織品が含まれ、現在のすぺーすくじらの中核を担う衣装群となっております。　

　これらのコレクションをこのたびすぺーすくじらのインドネシア館としてネット公開することができました、,どうぞよろしくお願いいたします。　

 

　左の布はスンバ島東部カナタンの王の布です。　時代は，２０世紀初頭のもので，オランダの紋章や王冠，王と王妃が織り込まれている堂々たるヒンギ・コンブです。当時のカナタンの王が愛着していたものです。　紋様構成や織りの技術の素晴らしさの他に特筆すべき点は，布の中央部です。一見，無地に見えますが裏側には，驚くべき細かな縫い取り織が施されています。このヒンギは，現地の糸で織られています。（260×126）