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Traditional  Textiles  1

 

   

   Ulos -ragidup 

ウロス・ラギイドゥップ

 

 

  スマトラ島で1900年代初頭に織られたバタック族のウロスという布です。大きさは,232cm×120cmで非常に繊細な手紡ぎ糸を使い,天然染料100%で染められています。

 

 バタック族のウロスは,大きさや文様によって約50種類のランクに分かれますが,これはその中でも最高のラギ・イドゥップという名称のついている布です。インドネシアの布の逸品を集めた専門書「インドネシア染織大系」によると,この本の出版された約30年前にもこの布はほとんど織られておらず技術的に特殊なもので王侯,王妃の布であると書かれています。

 

  技術的に特殊なものであるということは,この布を直に見れば納得できます。細かな文様に全く手抜きがなく,高度な技術を持った織り手によって織られたものであることが分かります。特に中央両側の白い部分は驚くべき繊細な縫い取り織で,中央の絣部分も細い手紡ぎ糸で難しい文様が織られまさに特別な階級のための布です。

 

 

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