今月のすぺーすくじら
3月のすぺーすくじらはイスラームのヴェールを中央アジアと西アジアに訪ねております。遊牧民族が圧倒的に多いイスラ-ムの民族衣装は移動中にも作業が続けられる刺繍技法により装飾されたものが多く手間隙のかかる衣装作りは母から娘へと代々受け継がれ、大切に使われてきました。魔除け・邪視除けのために隙間なく丁寧に施された刺繍は驚くほど見事です。お楽しみいただければ幸いです。
2016年3月15日~4月10日ネットギャラリーにて公開いたします。
イスラーム・ヴェール展
GALLERY




乾燥地帯では、被り物は強烈な日差しをさえぎり、埃除けや防寒の役目も果たす必需品である。とくに、イスラーム教徒(ムスリム)の女性は外出の際に顔や髪の毛、身体を隠すためにヴェールを被る。ヴェールの着用はイスラーム以前の風習を受け継いだもので、イスラーム教の聖典「コーラン」にも記されている。しかしコーラン」にはヴェールの色や形などの具体的な記述がなく、国や民族によってさまざまである。また各時代の権力者の考え方によっても規制される。たとえばイランではかつて近代化をめざす皇帝がヴェール(チャドル)の着用を禁止し、都会では先端的な洋装も見られたが1979年のイラン・イスラーム革命後はヴェールの着用が厳守され、外国人にまでスカーフの着用を求めている。
部族の娘たちは結婚前に、婚礼の際や結婚後に着る民族の伝統衣装服を準備する。生地が上等で華やかな装飾を施したものを晴れ着とし、形式が同じでも装飾が簡素な衣服を日常着とする。結婚式には丹精込めて作り上げた最も豪華な晴れ着を着る。それらの晴れ着は結婚後も大切に着続けられた。
西アジア・中央アジアの民族服飾ーイスラームのヴェールのもとにー文化出版局より
イスラームの刺繍ヴェール


ウズベキスタンの被衣 パランジャ
トルクメニスタン テケ族の被衣チルプイ

アフガニスタンの半円形ヴェール

ウズベキスタンの被衣 パランジャ

カラカルパクスタンのヴェール キメシェク

ウズベキスタンのヴェール チャチバン

ベドウィン族のフェースヴェール ブルクァ

ウイグル族 ドロンワークのフェイスヴェール
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