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  1. 今月のすぺーすくじらはインドの刺繍衣装をコレクションのなかから展示しております。繍衣装はインドの広範な地域で作られ受け継ががれてきました。気候・風土が大きく違う大インドの東西南北地域では使われる刺繍糸の素材や刺繍技法も異なり多彩な表情がみられます。とりわけ西インドの砂漠地域、灼熱大地に暮らす人々の刺繍衣装は魔除や護符として隙間なく刺され感動的です。2016年6月10日~6月30日ネットギャリーにて公開します

インド刺繍衣装展

GALLERY 

 

 

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 インドにかよい始めて日も浅い頃、デリーの路上で古い刺繍を商う女たちに出会った。今風の出来とは違う良いものがあり、それを手にすると彼等の口からカッチとかブージと云う言葉がとび出した。それ以来カッチやブージはまだ見ぬ宝石箱の様に心に残り、いつかその地を見たいと願った。(中略)

 州都のブージはのどかな田舎街だった。しかし街から一歩砂漠に足をふみ入れると塩をふくんだ土漠が果てしなく拡がる荒野が地平線まで続いていた。この苛酷な砂漠に村人たちは集落をつくって暮らしていた。道なき砂漠を土埃をかぶってたどり着いた私は出迎えた村人のミラーを埋め込んだ華やかな衣装に息をのんだ。早速招かれた内庭に鮮やかなキルトを広げ休ませてくれた。

 子供たちは手作りの刺繍の服でとびまわっている。夢の様だった。美術館で見るような服が日常着に使われているのに驚いた。まさにカッチは刺繍の宝庫であった。男たちが放牧に出かけた後、女たちは糸を紡ぎ刺繍をする。子供たちは8歳ぐらいから習い始める。大切な布が丈夫になる様丹念に刺される。数千年も昔から続いた営みが今も受けつがれ続いていた。色のない砂漠に映える茜色のミラーの衣装は、苛酷な自然の中で生き抜く女たちの強い意志を表してていた。ここではヒンズー系、回教系又それぞれの部族共同体により、服装が異なる。今でも伝統を強くまもり固有の服装で人目をひくのは、ラバーリ アヒール、ジャットの集団である。またアップリケや刺繍の天幕は婚礼や儀式の時に使われ、廃物利用とは云え吉祥文や動物をあしらった楽しい物でそのデザイン感覚は見事である。             

岩立広子「インドの染織」より            

 

西インドの刺繍

 ワガディアラバリ族 婚礼用スカートガーグラ 

ダネタージャート族 ブラウスチョーリー 

 メグワール族 ブラウスチョーリー 

カッチラバリ族男性衣装ケイディア

 回教徒ハリプトラ族使用?ブラウス

 モチ共同体の刺繍 カティ共同体の使用 

 アヒール族 ショールオドニ

 ロハナ族 婚礼衣装クージュ

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