今月のすぺーすくじら
中南米の衣装展
今月のすぺーすくじら」はグアテマラとペルーを中心に中南米の民族衣装を展示いたしました。この地域の展示は6年ぶりとなりましたがこの間にアンデスやマヤの伝統染織技法を受け継いだ鮮やかで多彩な衣装が集まってきました。また衣装のあちらこちらに鳥の文様を見つけ出すこともできて楽しく準備ができました。引続きお楽しみいただければ幸いです。
2017年2月15日~3月15日ネットギャリーにて公開いたします。
アンデス高地に暮らすケチュア族の女性の上着をスペイン語でチャケタ、ケチュア語でフポナといいます。ウールの手織布で作られた丈が短めの衣装には全面にミシンで鮮やかな刺繍が施され見事です。ポジェラと呼ばれるギャザーがたっぷり入った円形のスカートにも鮮やかなミシン刺繍がされ、大変な重さとなります。男性の伝統衣装はポンチョで手織の二枚の布を頭の通る部分を残してハギあわせます。絣や織の縞模様が多く、中にはハギ目の色糸で幾何学模様にしたこったものもあります。
グァテマラの女性の貫頭衣はウィピールと呼ばれます。手織布を二枚、あるいは三枚剥ぎ合わせ、中央に頭を通す穴をあけたものですが縫い取り織や刺繍の鮮やかな模様は村々で異なる表現がされています。組み合わせるコルテ(巻きスカート)ファハ(腰帯)シンタ(頭飾り)ペラッヘ(肩掛け)も村々で特徴のあるデザインのものが近年まで着用されていて、衣装を見れば出身の村が一目でわかりました。グァテマラの織物の多くはテラール・デ・パロ(棒切れ機)と呼ばれる原始的な腰帯機で織られ、この機は古代マヤの土偶に見られるものと変わらず、脈々と伝承されてきたことに驚きます。一方スペイン人によってもたらされた高機はコルテ用の幅広地やどの村の特色もない一枚布のウィピール生地の製作に使われているだけです。綴織の頭飾りの紐や細幅の腰帯は小型足踏式後帯機をつかい鳥や兎、花や人の具象模様が多色の色糸を使って自由に織り出されています。
中南米の鳥模様の衣装

ペルー ケチェア族子供用ポンチョ

グァテマラ イシル族チャフル村 ウィピール

キチェ族 トトニカバン村 女性用腰帯

ハカルテコ族 ハカルテナンゴ女性用腰帯

ボリビア アイマラ族の男性用ベスト

カクチケル族サン・ライムンド村子供用ウイピール

キチェ族スニル村 綴れ織り頭飾り(製作はトトニカバン)

パナマ クナ族アップリッケ(モラ)のブラウス
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