top of page

 

「今月のすぺーすくじら」はインドネシアコレクションのなかからヌサ・トゥンガラの島々の藍染布を展示しております。木綿も染まりやすい藍は世界中で利用され多様な染色法が各地で伝えられてきましたが、とりわけヌサ・トゥンガラの島々ではそれぞれに特徴のある藍染布が作られてきました。芸術的ともいえる藍染衣装に魅了されてコレクションは質量共にだいぶ充実してまいりました。お楽しみいただければ幸いです。

 

2017年5月25日~ネットギャラリーにて公開いたします。

インドネシアの藍染布展

GALLERY 

 

 

          

  サウ島の藍は「ダオ」とよばれ、水を入れた瓶に藍の葉を入れ,搾って滓を捨てる。灰汁を加えて放置し、乾燥させる。染める時、乾燥した石藍に灰汁、クララの木の根と葉、ロデの根、アチェの木の根、ロバの樹皮、ビンロウジの実、オランダ産の塩を加えてよく混ぜる。一週間置き、テストして良ければ染める。すべて母親からの伝授である。(中略)

 サウ島でもっとも多く織られているのが女性用の筒状のサルン「エイ」で大半は藍と茜で染めた経絣と縞で構成され、ごくわずかだがウコン染の黄色の絣と縞が入ったものもある。主に描かれる模様は花鳥模様である。

 サウ人社会は母系社会で、同じ先祖によってグループに分かれ、決められた花の模様が家紋になり、エイに描く。エイを着た時「マディアエ」とよばれる巾の広い藍無地の内側、すなわち「ヘベ」とよばれる部分に家紋である主模様を大きく描く。ヘベの模様を見ればその人がどのグループに属しているかわかる。

 エイは模様とデザイン構成の違いで細かく呼び名が分かれ、所有者も異なる。たとえば細い経文織を入れた「エイ・ラジャ」と、ヘベにパトラ模様が入った「エイ・ヘベ・パトラ」は王族のものである。

 ウォラピの花を表す四辺の花模様と凸模様が入れば「エイ・ウォラピ」。ヘベの地色がその後につく。藍色ならば「ウォメディ(黒い)」、赤であれば「ウォメア(赤い)」。藍絣だけのは「ジュア・ウォメディ」である。(中略)

 サウ島の藍染と茜染は家によって加えるものが異なる。藍の色は澄んでいるものばかりではなく、色相もすこしずつ違い、様々である。小さな島の中で右ならえすることなく、各家によって染め方が違っていた。   渡辺万知子著「染織列島インドネシア」より

Anchor 3

島々の藍染腰衣(サルン)

サウ島女性用サルン「エイウォラピ」

57×160 2枚パネル

    アドラナ島 婚資のサルン「レクトロン」

70×140 2枚パネル

 ルアン島 女性用サルン

 69×133 3枚パネル

ティモール島ベル「タイス・ブナ」

54×142 2枚パネル 

サウ島女性用サルン「エイラジャ」

54×154 2枚パネル

  フローレス島シッカ「騎馬人物紋レマジャラン」

65×186 2枚パネル 

フローレス島イリマンデリサルン 

60×120 2枚パネル   

ティモール島ビボギ「タイス・フォトス」

56×167 4枚パネル

世界の民族衣装ギャラリー

 

 「すぺーすくじら」への

 お問い合わせ、ご連絡は

 こちらから

 Contact    

 

詳細が無事送信されました!

bottom of page